Vol.33 「慣れ」は、武器にも弱点にもなる
- 園部貴弘
- 3月9日
- 読了時間: 3分
イーグルレイクゴルフクラブでのラウンドは、メンバーになってから数えて300ラウンドを超えた。

これだけラウンドすると、いくら物覚えの悪い僕でも、ティーショットの落とし所やグリーン周りの癖、風の影響まで把握できている。「慣れたコースは有利」とは言われるが、、、逆にこれがスコアを落とす原因になっているのではないかと、最近、思うことが増えた。
慣れたコースでは「最適解」を知っているがゆえに、ショットの選択肢が狭くなることがある。特に、イーグルレイクは狭くトリッキーなコースなので「このホールはここに落とせ」と決まっている。
たとえば、4番ホール、ミドル。

基本フェアウェイウッドでフェアウェイ左側を狙い、そこからグリーンを狙うのが正攻法とされている。フェアウェイが右の池に向かって傾斜しているので、多くのプレーヤーがそういう選択をする。しかし、セカンドショットの距離が残るし、つま先下がりになるので、OBや池の可能性も高い。
しかし、ある日、小西プロに「その選択、他の可能性を潰してないですか?」と指摘された。
同じホールでも、ティーショットをあえて右のラフに置き、セカンドショットを極力短くするという攻め方もある。また、池に入るリスクはあるが、ドライバーでしっかりと飛ばし、セカンドを短くするという攻め方もある。これらを試したところ、ピン位置によっては正攻法と言われるフェアウェイウッドのティーショットよりパーオン率が上がることが分かった。
これまでの「最適解」は、実は特定の条件でしか最適ではなかったのだ。慣れたコースほど、自分のプレーが固定観念に縛られていることに気づかされた。
さらに、「知りすぎている」ことがプレッシャーになる場合もある。


たとえば、13番ホール。左右ともハザードなので、ここも安全を見てフェアウェイウッドで刻む人が多い。しかし、2打目は距離が残る池越えになるし、右奥にピンが切ってあると、さらに距離が増えるため池とバンカーのプレッシャーが強まる。 さらにもしティーショットを曲げて池に落としてしまった場合。刻むマネジメントをしていると、かなり手前から池に入るので、よほどFWやUTに自信がないと、サードショットでグリーンが狙えない。結果、良くて4オン2パットのダボ、ピン位置によっては、トリも当たり前に出てしまう。 ここで、あえてドライバーを振っていくと、セカンドの距離がショートアイアンになるし、もし池に落としたとしても、よほど手前から曲がっていかない限り、3オンが可能な距離からの救済になる。
そこで、こうした「慣れ」による間違った攻略法を、小西プロとあらためて考えてみることにした。
まずは、自分の成功体験だけでなく、試合中の他のプレーヤーの攻め方、そして小西プロの「プロとしての攻め方」を参考に、新しい攻め方を考え、試すことを心がけた。
いままで自分のプレーをするのが精一杯だったのが、ある程度経験が出てくると、同伴者が使うクラブや攻めるポイントを見る余裕も出てくる。すると、自分のプレーにはなかった視点が見えてくる。

そして、それを次のラウンドで試す。最初は不安があったが、意外にもスコアが改善する場面が増えた。
また、これまで敬遠していたリスクの高いショットや、新しいクラブの使用など、意図的に新しい攻め方も試してみた。普段のルーティンを崩すことで、自分のゴルフをアップデートしていかなければ、次の壁は越えられない。特に意識したのは、「安全第一」を脱却し、勝負所ではリスクを取る勇気を持つことだった。
その結果、少しずつスコアが動き、平均ストローク数が確実に減ってきた。
「慣れ」は武器になるが、同時に弱点にもなることを知った。
ゴルフの実力を高めるのは、なにもショット力だけではない。マネジメント意識をしっかりと持ち、常に新しい視点でプレーを見直すことで2打、3打は確実に縮まる。
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